代表メッセージ

福祉の仕事を志す皆様へ

十字の園 理事長
鈴木 淳司
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代表メッセージ

福祉の仕事を志す皆様へ

十字の園 理事長
鈴木 淳司

自分の弱さを大切に!

皆さんはそれぞれの人生の中で多くの体験をされてきたと思います。その中で、弱い立場に立たされ辛い体験や悲しい体験もされた事もあると思います。そうした体験は皆さまの中ではあまり思い出したくない事かもしれません。しかし、福祉の仕事では、皆さんのそうした体験こそが、大切なものになります。なぜだと思いますか?
福祉の仕事ではどの様な仕事でも、相手の立場に立って考える事が求められます。そして、支援や助けを必要としている方は、何らかの困難さを抱え弱さの中におられます。弱い立場に目を向けず、支援する事は、助ける側の力が強くなり易く、押し付けるような支援になってしまいます。自分の弱さを知り、その弱さの中で苦しんだ経験に目を向けて近づくからこそ、弱い立場の方に思いを向けて行く事ができます。
助けてあげるのではなく、自分も助けられたから、目の前の方の辛さに寄り添いたいと思うのです。

寄り添う思いを整える

皆さんは「うれしいな」とか、「楽しいな」「きれいだな」また、「悲しい」「つらい」「イライラする」と日々いろいろ感じることがありますよね。その時に、「自分はなぜそう感じるんだろう?」と考えることはありますか?私は自分の感じたことに「なぜ?」と思う気持ちを大切にしています。
どういう時に自分は嬉しいと感じたり、イライラしたりするのかを知ることで、同じように見える相手の立場に立とうとした時に、それが物差しになるからです。自分の気持ちを物差しにして相手の気持ちの違いを客観的に見ることが出来るようになります。
この物差しを使うと、自分と相手の違いを考えやすくなり、相手を知る手掛かりができます。手掛かりを頼りに相手の方と関係を作って行きます。関係が出来ていくと、その人の存在を受け入れる事ができ、寄り添い合う関係になります。

十字の園の理念

夕暮れになっても光がある。(聖書の言葉 ゼカリヤ書14章7節)
どんな時でも、どんな人にも消える事のない光が私たちに注がれています。それは、十字架と復活のイエス・キリストの愛です。
十字の園はキリスト教精神に立って始められた法人です。
毎朝の礼拝で、聖書の言葉を聞き、新たな気持ちで支援の必要な方を支えるために、キリストの愛に押し出されています。

ー これが十字の園の理念です。 ー

一人ひとりが大切にされ、尊重されることで、自分の存在が認められ、安心感を得ることができます。その安心感はお互いが喜ぶことができる土台です。その土台の上に、生きる事の自由が保障され、喜びと自由を感じることで、希望が生まれます。これが、私たちのやりがいにもつながっています。
決まった一つのルールにとらわれず、職員一人ひとりが、相手の喜びや自由、希望について考え、一つひとつの支援を行っています。
これは支援の経験者、未経験者の区別はありません。
皆が、目の前のその人の事を思って、意見を出し合い、知恵を絞ります。
最初は分からないことがたくさんあると思いますが、自分の中で「なぜ?」を持ち続けてください。
そしてそれを、言葉で伝えて、共有することで、お互いの尊重し合う関係が広がっていきます。

個別のニーズに応えたい

職員一人ひとりが、「形」ではなく「思い」を伝え合うことができるように成長し、より良いと思うことを実行できる、それが十字の園の良さです。
グローバルな人材を迎えても、一人ひとりを大切にする支援と、それを伝えあうことを大切にすることは変わりません。
十字の園は現在、高齢者福祉だけではなく、障がい者入居施設や就労支援事業を行っている拠点などがあります。これらの広がりは、職員が自分たちの良いと思うことを自発的に行動し実現した、チャレンジの証です。これからも地域の様々な福祉ニーズに応えることができるように人材育成に力を注ぎ、世界に通用する十字の園をつくります。